チンギス・ハーンの一族〈4〉斜陽万里 (集英社文庫)



チンギス・ハーンの一族〈4〉斜陽万里 (集英社文庫)
チンギス・ハーンの一族〈4〉斜陽万里 (集英社文庫)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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当時“中国史を超えた”一族の歴史

 第四代モンケ皇帝没後、一二六六年に統一クリルタイ開催を逸したチンギス・ハーンの一族は、第五代フビライを軸とする四十年間の兄弟抗争へ。弟フラグ軍(イル・ハーン国)で頭角を現し、その使節としてフビライに謁見、そのまま元朝に留まった名臣バヤンが大活躍。南宋討伐の総司令官として破壊と殺戮なくこれを接収、またカラコルムでモンゴル総司令官としてオゴデイ家・ハイドゥの乱から元朝を保護、フビライ亡き後は孫の第六代テムル皇帝擁立を絶対視します。その後チンギス嫡男四子孫の国々は一三〇五年に和睦し、緩やかな連邦制のもと「パックス・モンゴリカ」を実現。本著では言及なきものの、一時ユーラシア全域に平和時代が訪れ、陸路・海路に人々が自由に往来、関税の撤廃で商業が振興、国際交易が隆盛しました。中国史を小説化してきた著者は、十三世紀初頭に始まるチンギス・ハーン家の興隆が“中国史を超える”ことから、これに取組む必要があったと証言。南宋最後の場面での徹底抵抗の宰相・文天祥の描写には力が入ります。当時のモンゴル帝国人は記録を価値視せず、ジュワイニーの「世界征服者の歴史」やラシードの「集史」などペルシャ語文献が資料の主流とのこと。四巻全般を通じて、皇帝たちに貫かれる宗教政策が印象的でした。政治と宗教を絡めない一方、諸宗教に寛容で、天を畏敬するモンゴルの精神的価値観に生きていたという。



集英社
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