突然自殺をとげた一人の女をめぐって、その女と一夜をともにしただけの落ち目なダンサー、その女の妹、そしてその女の自称婚約者の3人が、女の携帯電話に登録された196人を手がかりにその死の謎を探していく心の旅を描いた、それぞれにとっての再生の物語。ラブホテルの待合室で違う相手と一緒にいたハジメ(長瀬智也)とゆかり(木村佳乃)は、そこに流れたBGMを口ずさんだことで意気投合。泥酔のお互いの相手をくっつけてホテルを抜け出すと、ハジメがねぐらにしている江ノ島のハーバーにつながれたクルーザーで一夜を共にし、電話番号をお互いの携帯に登録しあって朝になって別れた。早速ハジメはゆかりに連絡しようとするが、携帯に番号が見当たらない。熱海のホテルでダンサー稼業をこなし、一緒に踊っていた八千代(赤坂七恵)をクルーザーに連れ込んだ次の日の朝、金魚鉢を持って現れたゆかりの妹で女子大生の玲子(深田恭子)とゆかりのフィアンセを自称する寿司職人の良夫(香川照之)から、ゆかりがマンションから飛び降り自殺したことを聞かされる。 ロードムービー風の携帯巡りの旅の中で、すでにこの世にいない人物のパーソナリティを多くの人々の回想を通して浮き彫りにしていくちょっと風変わりな語り口は、人生の光と影を独特のアングルでのぞき込むこのドラマにとってのユニークさの一つでしかない。その道程を追体験していけばいくほどに、破天荒にして奇想天外な人間像を垣間見せてくれる愛しいほどの人生の迷子、ゆかりがはかなげで色っぽくたまらなく魅力的に見えてくる。そんな回想のみに存在するゆかりを演じる木村佳乃の圧倒的な存在感こそが、このドラマのエキスそのものと言えるだろう。コミカルにしてハードボイルドに、そして最後にはせつなさがこみ上げてくるような物語のタッチは、17年ぶりに民放ドラマの脚本を手がけた一色伸幸によるズラした面白さの筆致が冴え渡るところである。(麻生結一)
3年に1本の傑作
よく出来ている。しかもドラマ下手の日本テレビにしては久々のこと。
連ドラはだいたい3年に1本、出来のいいのが出てくる。90年代からみても、91年(「東京ラブストーリー」「101回目のプロポーズ」)、94年(「29歳のクリスマス」)、97年(「青い鳥」)、
01年(「水曜日の情事」)、そして04年の本作。
ネタの大元はフランス映画の古典、「舞踏会の手帖」だと思うが、脚本が実にこなれているので観る者をひきつける。
長瀬智也自身が狂言回しとなり、香川照之がいい味でからむ。木村佳乃も男にだらしない女という役をこなし、新境地というところか。惜しむらくは深田恭子がもうひとつ活かされなかったことか。
ただ放映時は低視聴率で打ち切りも心配されたほどだったので(日本テレビの土曜9時枠は完全に小中学生がターゲット。だからその対象を見誤った作品は悉く失敗している。「演歌の女王」がその典型)、DVD化されたのはうれしい限り。
ただしレンタルの場合、まず大型店でなければ置いてないようなので、購入したほうがいいだろう。その価値はじゅうぶんあると思う。
豆知識
長瀬智也ファンの娘のために購入しました。 でも今は私が夢中です。 長瀬くんではありません。香川照之の豆知識にです。 若い人は長瀬君のハジメに感情移入するでしょうが、 私のような×代の女性には豆知識の方が百倍イイ男に見えます。 オカマのももえ(陣内さん素晴らしい!)が ハジメよりも彼を選んだ気持ちよーくわかります。 ハジメとゆかりの恋愛は、ゆかりが自殺したからこそ成就したのです。 ゆかりが死なず、再会できていたとしても 結局別れいていたと思います。(娘は怒りますが)ゆかりがもう少し年を重ね、ふと気がついた時、 傍にずっといてくれた豆知識の良さにきっと気がついたはず・・。 「太陽が爆発した最後の8分に吉川良男(?)を押し倒す」 この言葉はその予感を彼女が感じていたからではないでしょうか? それにしても香川照之は上手い! 彼の演技を見るだけでも、このDVDの価値はあります。
みんなに勧めたい。けど勿体ない様な…
ドラマをDVDビデオで買うのは初めてです。そう思い切らせるだけの素晴らしいドラマでした。 ストーリーや風景にあった雰囲気のあるBGM。寂しげで冷たくて、だけど綺麗な熱海の景色。 クレイジーケンバンドのいかした音楽や、岡田浩輝さんのバンド演奏も素晴らしい。 なによりも一色さんの脚本が本当に、本当に素晴らしい!! 若い人に程、こういうドラマを見て欲しいなぁ…。 『豆知識』の「人は二十歳も半ばを過ぎたら…」の台詞が凄く身に染みます(うろ覚えでスミマセン)。 悲しいかな、レンタル屋でもだいたい借りられていません…。本当に色々な意味で勿体ない、贅沢なドラマです。 是非、観て下さい。
「君はあたしだ」。深い余韻を残す新湘南物語。
「君はあたしだ」。木村のつぶやきは、エロティックで、そしてストレートに哲学的。音楽のように繰り返し再生したくなるドラマだ。 いやそれは、テレビドラマというジャンルをぶち壊そうとしているからかもしれない。冒頭で墓に入る金之助、まるでジャンル越境者夏目漱石の本名を黙示しているかのようだ。そのとおり、高度成長という物語が加山雄三というヒーローででっち上げられた湘南は、いまや冬のうらぶれた江ノ島でしかない。物語は失われ、ヒロインはドラマからトンずらして、残るは金魚鉢。 村上春樹の喪失感より、素直に心象を呼び覚ます。携帯めぐりが一気に、人々の心の底に入り込んでいく。しかもコミカルに。 それにしても湘南の空がこんなに澄んでいたとは! 冬の湘南は、江ノ電のなんともいえない郷愁を強調する。ショーロクラブのサントラが、描かれたことのなかった、真冬の江ノ島を見事に映し出す。「夜の海は、どこでもドアだぁ〜」。 DVDは、サントラに収録されなかった、名曲5:55の特典トラックつき。はじめてドラマでDVDが欲しくなった。名作なのでしょう。「忘れない」。
本当のやさしさと愛に触れられるドラマです。
一晩過ごしただけの、うそみたいに好みのいい女。 彼女が死んじゃった。 彼女役には木村佳乃さん、又、彼女の妹役、深田恭子さんはいつも姉に 振り回されていた。 彼女のことを妹は少し、恨んでいた。 そんな、彼と彼女の妹が、彼女の携帯に残された記憶をめぐる旅にで出る。 その旅の中で、2人は彼女の本当のやさしさと愛に気がつく。 彼、こと長瀬智也さんは、かっこよく、あらゆる女性を引っ掛けては 一晩を過ごし、自分の心の穴を埋めようとしていた。 しかし、真実の愛を知って、そんなものでは埋まらないことに気がつく。 本当の愛と、やさしさに触れられる、そんなドラマです。
バップ
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